最近、神戸大学大学院法学研究科で私のもとで勉強したいという連絡を受けることがよくありますので、学生受け入れ方針及び指導方針について書いておきます。
「租税法」の研究者志望の方
いきなり当研究科を受験されるのではなく、必ずあらかじめ私にご相談下さい。私のメールアドレスはResearchmap等で公表しています。2025年4月現在、私の指導している博士課程前期課程(研究者養成プログラム)の学生は1名です。
租税法に限らず研究者を考えている神戸大学法学部生の方
どの科目の先生が指導が丁寧である、どの科目の先生が研究者養成を考えていらっしゃるといった点について多少の情報を持っています。他の科目を研究しながら「租税法も」勉強するということも考えられます。ご相談下さい。
税理士試験の税法科目免除を目指して修士号を取得したい方
そのような動機で前期課程の入学を考えておられる方は、申し訳ありませんが、お断りしています。経験上、税理士試験の準備や税理士事務所での勤務が忙しく、大学院の授業・論文に全力を尽くしていただけないことが多いからです。私もかかわっている名古屋経済大学大学院法学研究科等、そのような目的に特化して丁寧な指導を行う大学院をお薦めします。
研究者志望ではないが租税法で博士論文を書きたいという方
既に他の大学院で修士号を取得した方で今度は博士論文を書きたいという方からの問い合わせを頻繁に受けます。そのようなみなさんには、基本的には、まず当研究科の博士課程前期課程を受験されることを推奨しています。というのは、後期課程では講義科目が極端に少なく、論文執筆に必要な法学の知識を十分に得ることができません。他大学院(特に税法科目免除を目指した大学院)で勉強された方の多くは、法学全般に関する基礎的知識や英語力を欠いており、そのままでは博士論文の執筆に困難をきたします。前期課程から勉強し直すことが、かえって近道ですし、まずは優れた修士論文を執筆することを目標とすることが望ましいと考えます。もちろん、修士論文が優れていると評価される場合に限り、博士課程後期課程への進学の道が開けます(当然に後期課程まで進学できるわけではありません)。なお、これまで、複数の方が私を指導教員として博士号を取得しています。
社会に出る前にもう少し勉強したい・ミッドキャリアでの学び直しをしたい方
もし租税法に少しでも関心があれば、当研究科の前期課程(高度社会人養成プログラム)が適していると思います。租税法担当教員が私だけなので在外研究等に出て指導できる人がいなくなるタイミングもありそうですので、必ず事前にご相談下さい。2025年3月に1名が優れた修士論文を執筆して修士の学位を取得しました。それ以前は、複数の国税庁(税務大学校)・税関の方が修士の学位を取得しています。
私の研究室では、原則として、修士論文・博士論文とも少なくとも部分的に外国法の研究(≒英語文献の利用)をすることを求めています。