2018年4月17日火曜日

2018LS租税法1第1回(4月17日)

進行予定・休講と補講の予定は配布物のとおり

「ケースブック租税法」に沿って進める。佐藤「スタンダード」と「租税法判例六法」は入手して授業に持ってくること。

 縦糸と横糸としての,所得分類論,収入金額・必要経費。やや特殊な譲渡所得関係。

§211 所得概念(§211.04を除く)

所得算定のルール(§214)の背後仮説としての「所得概念」。条文の解釈の指針となる。
歴史的な形成・発展過程はそれ自体として興味深い(→藤谷武史「非営利公益団体課税の機能的分析—政策税制の租税法学的考察(1)-(4・完)」国家学会雑誌117巻11・12号1021-1129頁,118巻1・2号1-110頁,118巻3・4号220-322頁,5・6号487-599頁の第2章(上記(1)および(2))におけるサイモンズの構想。なお,渕「所得の構成要素としての純資産増加」金子他編『租税法と市場』所収(イギリスとドイツの差異を強調)も)。
しかしここでは,金子宏によるオーソドックスな理解及びサイモンズによる定義(178ページ)をしっかり押さえておくこと。
実定法の解釈との関係では,「収入金額」にあたるか否か,という問題として立ち現れる。

神戸地判昭和59・3・21
なぜこの補助金を収入金額に算入しないといけないのか?
受け取った補助金の支出の際の扱いはどうなっているのか?

佐藤4ページ冒頭の定義はそれ自体正しいものが,実際に使う際には要注意

最判昭和46・11・9民集25巻8号1120頁(利息制限法違反利息)
金融業者に対する課税事案の背景:当時の経済状況,当時の大蔵省の役回り。
実定法の解釈論としてはここでも「収入金額」の意義
背景として,旧通達での違法利得への課税に対する消極的な態度
最高裁が何を言っているか,しっかり理解しておくこと