2014年11月6日木曜日

租税法講義2014第19回レジュメ(11月7日)

※ 来週(11月14日)の授業について
→税務署の方のお話を聞く機会を設けます。できるだけ遅刻しないようにしてください。
出席も取り,評点の10点分を上限として加味します。

《ここから本題》
『租税法概説』第5章 法人の所得課税
第1節 分配主体としての法人
1 法人税の意義

法人成りした個人事業については,所得税ではなくて法人税が課されるようになる(タテマエを重視※)。もっとも,中小法人に対する配慮も見られる(軽減税率)。
そもそも,法人成りした個人事業を法的にどのように扱えば良いのか?
確かに法人と個人を比べても仕方がないけれど…(中里「 寄付金控除に関する法人と個人の公平――東京地判平成3・2・26」ジュリスト983号)
背後の個人(株主・役員)をどの程度,重視すべきか?
八幡製鉄政治献金事件最高裁判決とHobby Lobby Stores事件アメリカ合衆国最高裁判所判決。
※→なぜ,法人税の納税義務者の範囲が,私法上の権利義務の主体と(だいたい)一致しているのか?→134-135頁

2 納税義務者
なぜ,公益法人等の収益事業から生じた所得に対して法人税が課されるのか?
最判平成20・9・12(ペット葬祭業)
 「特定目的会社」等の課税の仕組みはどうなっているか?
 税率については,追補8ページ参照。(30%→25.5%,22%→19%)

3 会社法・企業会計との関係
(1)確定決算主義
(2)損金経理等
(3)公正処理基準
 最判平成5・11・25(大竹貿易)(後日詳しく紹介するかもしれません)

第2節 法人の所得計算
1 収益費用アプローチ(再来週ここから)

《参考》
法人税法

(各事業年度の所得に対する法人税の課税標準)
21条  内国法人に対して課する各事業年度の所得に対する法人税の課税標準は、各事業年度の所得の金額とする。

(各事業年度の所得の金額の計算)
22条  内国法人の各事業年度の所得の金額は、当該事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額とする。
2  内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の益金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、資産の販売、有償又は無償による資 産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のものに係る当該事業年度の収益の額とする。
3  内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、次に掲げる額とする。
一  当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額
二  前号に掲げるもののほか、当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額
三  当該事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの
4  第二項に規定する当該事業年度の収益の額及び前項各号に掲げる額は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従つて計算されるものとする。
5  第二項又は第三項に規定する資本等取引とは、法人の資本金等の額の増加又は減少を生ずる取引並びに法人が行う利益又は剰余金の分配(資産の流動化に関する法律第百十五条第一項 (中間配当)に規定する金銭の分配を含む。)及び残余財産の分配又は引渡しをいう。

(減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法)
31条1項  内国法人の各事業年度終了の時において有する減価償却資産につきその償却費として第二十二条第三項(各事業年度の損金の額に算入する金額)の規定により 当該事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入する金額は、その内国法人が当該事業年度においてその償却費として損金経理をした金額(以下この条におい て「損金経理額」という。)のうち、その取得をした日及びその種類の区分に応じ、償却費が毎年同一となる償却の方法、償却費が毎年一定の割合で逓減する償 却の方法その他の政令で定める償却の方法の中からその内国法人が当該資産について選定した償却の方法(償却の方法を選定しなかつた場合には、償却の方法の うち政令で定める方法)に基づき政令で定めるところにより計算した金額(次項において「償却限度額」という。)に達するまでの金額とする。

(確定申告)
74条  内国法人は、各事業年度終了の日の翌日から二月以内に、税務署長に対し、確定した決算に基づき次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。
一  当該事業年度の課税標準である所得の金額又は欠損金額
二  前号に掲げる所得の金額につき前節(税額の計算)の規定を適用して計算した法人税の額
三  第六十八条及び第六十九条(所得税額等の控除)の規定による控除をされるべき金額で前号に掲げる法人税の額の計算上控除しきれなかつたものがある場合には、その控除しきれなかつた金額
四  その内国法人が当該事業年度につき中間申告書を提出した法人である場合には、第二号に掲げる法人税の額から当該申告書に係る中間納付額を控除した金額
五  前号に規定する中間納付額で同号に掲げる金額の計算上控除しきれなかつたものがある場合には、その控除しきれなかつた金額
六  前各号に掲げる金額の計算の基礎その他財務省令で定める事項
2  清算中の内国法人につきその残余財産が確定した場合には、当該内国法人の当該残余財産の確定の日の属する事業年度に係る前項の規定の適用については、同 項中「二月以内」とあるのは、「一月以内(当該翌日から一月以内に残余財産の最後の分配又は引渡しが行われる場合には、その行われる日の前日まで)」とす る。
3  第一項の規定による申告書には、当該事業年度の貸借対照表、損益計算書その他の財務省令で定める書類を添付しなければならない。


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