2023年2月13日月曜日

2023年度に担当する授業について

 2023年度は、神戸大学大学院法学研究科・法学部で以下の授業を担当します。

 

(1)法科大学院

①租税法1(前期・2単位)

出版予定の講義ノートを利用して、主として所得税法についてお話しします。通常大学院の学生も履修できます。

②租税法2(後期・2単位)

出版予定の講義ノートを利用して(もしかしたらすでに出版できているかも)、主として法人税法についてお話しします。通常大学院の学生も履修できます。

③R&Wゼミ租税法1(前期・1単位)

事例研究をします。

④R&Wゼミ租税法2(後期・1単位)

同上。

 

(2)通常大学院

⑤実定法学特殊講義(租税法)(前期・2単位)

法学部の「外国書講読」と兼ねて行います。Ruth Bader Ginsburg裁判官の生涯を扱った映画のスクリプトと関連する資料を読んでいきます。

⑥演習「法学政治学論文指導」(前期・後期、各4単位)

半分は法学部の「租税法演習」と兼ねて行います。残りは、租税法・制定法の解釈についての基本的な文献を会読します。私が指導している大学院生のみが履修できます。

*この他、「Japanese Legal System II」で1コマ担当します(前期)。

 

(3)法学部

⑦租税法(後期・2単位)

 出版を目指している一般向けの書物の原稿を利用して、租税法及びその周辺についての興味深いトピックを取り上げてお話しします。

⑧外国書講読(前期・2単位)

上記⑤を参照してください。

⑨租税法演習(前期・後期、各2単位)

いわゆるゼミ。前期は法人についての日本語・英語の文献を読んでいきます。主として憲法学の内容を扱います。UCLAのAdam Winklerが執筆した書籍を中心に構想しています。後期のテーマについては追ってお知らせします。


2022年3月28日月曜日

2022年度に担当する授業について

 2022年度は、神戸大学で以下の授業を担当します。

 

法学部

演習(前期・後期。いずれも2単位)=いわゆる「ゼミ」

租税法(後期。2単位)


法科大学院(大学院・実務法律専攻)

租税法1(前期。2単位)

R&Wゼミ租税法(前期。2単位)

租税法(後期。2単位)

 

通常大学院(大学院・法学政治学専攻)

実定法学特殊講義(租税法)(前期。2単位)

演習(前期。2単位)=私が指導している大学院生のみ

 

 

2022年度前期大学院「実定法学特殊講義(租税法)」で扱う文献

 2022年度前期に毎週木曜1限に「実定法学特殊講義(租税法)」を担当します。

シラバスはこちらです。

https://kym-syllabus.ofc.kobe-u.ac.jp/kobe_syllabus/2022/43/data/2022_1J257.html

 

シラバスにはアメリカ公法の研究をするように書きましたが、やや範囲を広げて、国際的な公法に関する査読誌である

International Journal of Constitutional Law

に掲載された比較的短い論文を数本、読んでみようと思います。

このような授業を展開する理由は、近年、日本の法学界でも国際的な査読誌に投稿することに関心が寄せられているところ、私は必ずしも国際的な査読誌を継続的に読んでいるわけではなく、どのような論文が国際的に査読誌にアクセプトされるのかわかっていないからです。

 私自身は租税法を中心として研究してきており、憲法・行政法については十分な知見がありません。そのような私が講義するため、論文の内容について高度に専門的な読解を提供できるわけではありません。それでも、私と一緒に英語の論文をゆっくり読んでみたい、と思う方は履修して下さい。

上記の雑誌は、比較公法に関する権威ある雑誌で、この雑誌を母体とした国際学会には興津先生や木下先生がコミットしておられます。私もこの学会に参加したことがあります。

具体的に読んでみようと思う論文は、現時点では、以下の通りです。いずれも、神戸大学附属図書館のデータベースから本文をダウンロードすることができます。


Bosko Tripkovic, The Morality of Foreign Law

N. W. Barber, Why Entrench?

Robert Leckey, The Harms of Remedial Discretion

Sandra Fredman, Substantive Equality Revisited


履修をお考えの方は、第1回の授業(4月14日)に教室にお越し下さい。ただし、可能であれば、事前に、私のメールアドレス(Researchmapで公開しています)に履修を考えている旨ご連絡をいただけると助かります。よろしくお願いいたします。

2021年11月14日日曜日

文書通信交通滞在費の非課税問題

小野泰輔議員による問題提起及び吉村大阪府知事による非課税への批判。

https://twitter.com/taisukeono/status/1459078706320711685 

https://twitter.com/hiroyoshimura/status/1459446482135040000


租税政策の面からも、それ以外の面からも、完全に非課税であることは全く正当化できないと思う。そこで、非課税となった経緯を調べてみた。

 

国会法(昭和22年法律第79号)38条を受けた,国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律(昭和22年法律第80号)に非課税規定がある。

国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律等の一部を改正する法律(昭和41年法律第15号)により、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律に9条2項が追加される。その内容は以下の通りであった。

「前項の通信交通費については、その支給を受ける金額を標準として、租税その他の公課を課することができない。」

 https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/houritsu/05119660331015.htm

通信費(通信交通費)については、この規定が設けられる前においても事実上非課税の扱いであったらしい。 1965(昭和40)年8月10日に開催された第49回国会参議院予算委員会におけるやりとり(会議録33ー34ページ)によると、「この前大蔵省から国会に対して手当の問題、通信手当十万円と滞在雑費十二万、合計二十二万円に対しての税金を払ってくれという申し入れがあった」(市川房枝)。これに対して、福田赳夫大蔵大臣は、次のように応答している。

「議員の立法審査費、それから交通通信費、この両者につきましてただいま非課税の扱いをしております。この二つの費目につきましては事の性質上実費弁償であるというふうにも考えられまするが、これが支給される形態から言いますると、他の交通費だとかいうようなものとの関係から見まして課税対象じゃないかというような議論も起こってくるわけです。前の議論、つまりこれが実費弁償だという一面もありますので、私はこの二つの費目につきまして全額課税をするということはこれは行き過ぎかと思うのでありまするが、他の振り合いから見ましてその二つの費目の権衡上の問題から言いますると、また課税すべきかなとも思いまするが、ただいま、これはいずれにいたしましても最高の府である立法府の問題でありますので、まあ立法府のほうでもいろいろお考えのようであります。その折衝の経過等も承知はしておりまするが、なおしばらく経過を、推移を見たほうがいい。こういうふうに考えている段階でございます。」

 市川は、これに対して、次のような見解を述べている。

「実費弁償ということでいままで税金を取らなかったわけですね。けれども一般の公務員、地方公務員、民間では渡しっきりというものは給与と認めるのだということを税務署が通牒を出しておって、そしてみなそれで税金をとっているわけですね。だから私は国会議員だからというので特別に税金を取らないということは国民に対して申しわけないのだ、それで私に言わせれば少しそれこそ歳費か、手当というのですか、ふやすならふやすとしても税金は国民と同じように支払うほうが国民感情としては気持ちがいいのだ、こういうふうに思うわけなんです。(後略)」

https://kokkai.ndl.go.jp/txt/104915261X00319650810
 
このように課税すべきとの意見が当局から示され、有力な参議院議員がこれに賛同したこともあり、非課税であることを規定の上で明確にしたということなのであろう。 また、非課税規定が所得税法に入っていないということが、当時の大蔵省の意地を示しているように思う。

2021年3月22日月曜日

2021年度に担当する授業について

 2021年度に私が担当する授業として予定しているものは以下の通りです。

 

前期

【学部】

租税法演習(火曜日)2単位(大学院の演習も兼ねる)

【法科大学院】

租税法1(火曜日)2単位

R&Wゼミ租税法(火曜日)2単位

【通常大学院】

特殊講義(水曜日)2単位…アメリカ行政法・租税法の最新文献を紹介します。

演習(月曜日)(上記の学部と合併のものと合わせて4単位)…私が指導教員になっている学生さんのみ

Japanese Legal System II (2単位,オムニバス)2回分を担当(6-7月)

ヤゲウォ大学日本法講義 2回分を担当(4月)

【大阪市立大学法科大学院】

租税法(木曜日)2単位


後期

【学部】

租税法演習(火曜日)2単位(大学院の演習も兼ねる)

租税法(第4クォーター,オンデマンド)2単位

【法科大学院】

租税法2(木曜日)2単位

【通常大学院】 

演習(月曜日)(上記の学部と合併のものと合わせて4単位)…私が指導教員になっている学生さんのみ

 

 


 

2020年2月16日日曜日

2019年度租税法期末試験採点基準


2019年度神戸大学法学部租税法 期末試験の解説・採点基準
2020214日 渕 圭吾

1問(配点40点)
法人税法の課税所得計算の仕組みについての説明を求めた。法人税法21条及び22条を引用しておいたので、これらの条文の内容をそのまま写すだけでは不十分である。
概ね以下のように採点した(加点項目は合計10点)。
1)課税所得算定の基本的な仕組み(8点)。益金から損金を控除し(221項)、益金・損金の計算にあたっては直接的には会社法の会計(74条=確定決算主義)、最終的には企業会計に準拠する(224項)こと。「損金経理」についても触れるのが望ましい。
*会社法会計・企業会計への依存を基礎づける政策的な論拠(当事者に対するインセンティブ、手間の削減)についての言及があれば加点した。
2)益金の計算の仕組み(8点)。収益や収入(すなわち、入ってきたキャッシュフロー)という概念に言及してほしい。収益計上のタイミングについて、実現主義ないし権利確定主義、さらには引き渡し基準といったことについて述べてほしい。
*無償取引からの収益発生についての言及(二段階説、清水惣事件等)があれば加点した。
3)損金の計算の仕組み(8点)。益金を基礎に、それに対応する費用を同じタイミングで計上すること(費用収益対応の原則)。(条文に書いてあるが)損金の3つのカテゴリーそれぞれの意義。
*踏み込んだ叙述に適宜加点。
4)その他(6点)。課税年度を人為的に区切っているが、欠損金の繰越控除・繰戻還付を認めており、法人がゴーイングコンサーンであることに配慮していること。
*非営利法人等、課税対象となっている所得が限られている納税義務者についての言及があれば加点した。

2
1】については、以下の(1)及び(2)について基本的な事項が書かれていれば各15点を満点として評価し、深い理解を示すと思われる叙述につき10点を上限として加点した。
1)消費税の様々な仕組みとその中における付加価値税=日本の消費税の特徴。
2)日本の消費税の具体的な仕組み。納税義務者、課税標準、仕入税額控除等。
2】についても、以下の(1)から(3)について基本的な事項が書かれていれば各10点を満点として評価し、深い理解を示すと思われる叙述につき10点を上限として加点した。
1)恒久的施設(PE)の有無により課税の仕組みが異なることの指摘。
2PEがない場合に(非居住者・外国法人に対する)源泉徴収で課税関係が終了することの指摘。
3PEがある場合には、非居住者・外国法人自体が所得税・法人税の確定申告をしかつ租税を納付する必要があることの指摘。

*第1問、第2問については、単に列挙した用語のみを解説する答案が散見された。そのような答案の評価はいきおい低くなっている。

3
映画を実際に鑑賞したことがうかがわれる場合には、基本的に15点を与えた。分析の鋭さに応じて適宜加点した。

2019年度法学部租税法まとめ


2019年度神戸大学法学部租税法(まとめ)

1)租税をめぐる立法・行政
◎租税の定義・租税が果たす機能
◎憲法84条・租税法律主義
◎日本の財政の概要・税収・国税と地方税
○憲法14条・租税公平主義
◎課税要件
○租税確定手続と租税徴収手続

2)租税法に関する分析枠組み
◎課税繰り延べはなぜ納税者にとって有利か
△租税顧客
△租税裁定取引

3)法人税
○法人税の正当化
○法人税と個人所得税の調整
○公益法人等の収益事業に課税する理由
◎会社法・企業会計と法人税の課税所得算定の関係
○収益費用アプローチ
◎法人税法222項にいう収益(条文の内容を確認)
◎無償による資産の譲渡・役務の提供から収益が生じるということをどう理解するか
◎収益の帰属事業年度
◎損金の3つのカテゴリーと費用収益対応の原則
○減価償却費とは何か
○欠損金とは何か
○組織再編・企業結合に関する税制の基本的考え方

4)消費税
◎消費税の意義とその分類
◎付加価値税(間接税としての多段階一般消費税)の仕組みの特徴
○どのような国内取引に課税されるか
○どのような輸入取引に課税されるか
○非課税取引にはどのようなものがあるか
○免税取引にはどのようなものがあるか
◎消費税の納税額はどのように算定するか(esp. 仕入税額控除とは何か)
○日本における消費税の歴史
○平成28年度税制改正で新たに導入された仕組みとは

5)国際租税法
○国際的二重課税はなぜ生じるか
◎非居住者・外国法人に対する課税の仕組み(esp. 恒久的施設とは何か)
◎居住者・内国法人の国際的二重課税排除のための仕組み
○移転価格税制とは何か

2020年1月21日火曜日

2020年1月20日神戸大学法学部租税法授業補足

2020年1月20日の租税法の授業でお話しした,恒久的施設帰属所得についての「独立企業の原則」について補足します。
慌てていて,前提を申し上げるのを忘れていました(ご質問くださった方に感謝します)。

恒久的施設(例えば,支店)の所得を算定するに際して,条文にも書いてあるような「独立企業の原則」という擬制を用います。これは,支店と本店(厳密に言えば,法人のうち支店以外の部分)とが同一人格であり,それゆえ,支店と本店の間に私法上の取引が成立しない(存在し得ない)ことを前提に,あたかも支店と本店が別の法人格を有し,かつ,両者が独立当事者間の関係で取引した場合に成立する対価が支払われたとみなすことを意味します。

授業中に挙げた例で言えば,銀行の本店から支店に対して100万円を渡し(これは,同一法人格の内部なので,私法上は「無」です),支店がこれを顧客に対して貸し付けたとします。この場合,通常の独立企業間(この例では,銀行相互間)で支払われる利子率が6パーセントだとすると, 支店から本店に対して年間6万円の利息を支払う,とみなすことになります。

以上の問題については,学会デビュー論文を基にした著書『所得課税の国際的側面』で論じています(授業との関係では読む必要はありませんが)。

2019年4月14日日曜日

南野森編『〔新版」法学の世界』(日本評論社,2019年)

2013年に別冊法学セミナーとして刊行された南野森編『法学の世界』(日本評論社)が,一部執筆陣を入れ替えて,新版として刊行された。旧版は,法学部・法科大学院で勉強する内容や法学研究の最前線の動きを的確かつオーソドックスに紹介していた名著であった。私自身,旧版における叙述から多くを学び,また,知らなかった文献を手に取った。

新版では,いくつかの法分野で執筆者が入れ替わっている。民法については西希代子(慶應)から原田昌和(立教)へ。刑法については橋爪隆(東大)から和田俊憲(慶應)へ。国際法については寺谷広司(東大)から森肇志(東大)へ。行政法については磯部哲(慶應)から興津征雄(神戸)へ。労働法は桑村裕美子(東北)から大内伸哉(神戸)へ。社会保障法は笠木映里(ボルドー)から永野仁美(上智)へ。商法は川村力(北大)から得津晶(東北)へ。民事訴訟法は八田卓也(神戸)から垣内秀介(東大)へ。刑事訴訟法は笹倉宏紀(慶應)から緑大輔(一橋)へ。法哲学は大屋雄裕(慶應)から 安藤馨(神戸)へ。英米法は安部圭介(成蹊)から溜箭将之(立教)へ。租税法は藤谷武史(東大)から神山弘行(一橋)へ。経済法は滝澤紗矢子(東北)から大久保直樹(学習院)へ。知的財産法は島並良(神戸)から小島立(九大)へ。

新規に,少年法(武内謙治=九大),情報法(成原慧=九大)が加わっている。憲法(南野森=九大),法社会学(飯田高=東大),フランス法(齋藤哲志=東大),倒産法(水元宏典=一橋),環境法(島村健=神戸),国際私法(横溝大=名大)については執筆者の交替はない。「海外留学よもやま話」の4名の執筆者はいずれも入れ替わっている。

ざっと目を通したが,この新版も,自信を持っておすすめできる本に仕上がっている。南野さんと編集者である上村真勝さんの力量に頭がさがる。 法学に関心のある社会人の方はもちろん,法学部を考えている高校生・浪人生の方にも,是非手に取ってもらいたい。ワクワクするような勉強が法学部でできるということが,よくわかるはずだ。

実は,この本については,執筆者の一部の方から献呈を受けている。ここでは,それらの方の執筆部分について少しだけ感想を述べることにしたい。

まず,憲法(南野)。初版の優れた記述が維持されていて嬉しい。憲法,という日本語の意味というところから,無理なく,実質的な意味での憲法がなぜ重要なのか,それについて学ぶことにどのような意味があるのか,ということを教えてくれる。南野さんは,東大法学部研究室の先輩にあたるが,これまで,それほどご一緒する機会は多くなかった。しかし,昨年秋の日本公法学会の際に声をかけていただいた機会に皆で食事をして,南野さんの研究者・教育者としての決意と責任感を目の当たりにした。私自身も大学生の頃教えていただいて,また書かれたものを読んで大変感銘を受けた樋口陽一先生の『憲法』が参考文献の最初のものとして挙がっているのも喜ばしい。これは,確かに少し古いが,特に人文系のバックグラウンドの方に読んでほしいと思う本である。

刑法(和田)。親しい友人であることを別にしても,今回,一番はっとさせられたのが,この刑法の部分である。「想像または妄想の重要性」題して,とりわけ主観的要素が犯罪の構成要素とされていることの危うさをヴィヴィッドに示してくれている。刑罰というものが場合によってはいかに危険なものになりうるかを説くことで, 同時に刑法について考えることの重要性を浮き彫りにしてくれている。

行政法(興津)。最もお世話になっている同僚の一人である。彼との議論から学ぶことは,本当に多い。彼の強みは,問題状況をたちどころに理解して考えるための枠組みを示せるところにある。今回の叙述も,その本領が発揮されている。法律の留保を素材として行政法学に依拠して考えることの有用性を示してくれている。行政活動の4分類の図で一応の整理がされて読者としては納得するが,すぐにこの分類を支えている2つの二分法が成り立つのか,と考えてしまう。そして,私はすでに行政法を考えることの面白さに取り憑かれてしまっていることに気づくのである。

法哲学(安藤)。言わずと知れたスーパースター。普通に会話していても十分に面白くまた楽しいのでそれで満足してしまい,なかなか安藤の論文や著書を精読しようという気にならない,という困った事態が生じている(あらゆる安藤成分を吸収しようと努めている世の中の安藤ファンには怒られそうだが)。本人から,実はここに注目してほしいと教えられた毒の要素も面白いのだが,そのことはここで書くべきではないだろう。むしろ,私は,(恥ずかしながら)頭の中でかなり混乱していた法哲学についての理解が少し整序されて,勉強になった。メタ倫理学の世界をちょっと覗いてみたいと思う。

租税法(神山)。彼自身のいい意味でぶっ飛んだ研究を脇において,オーソドックスな租税法の内容をきちんとまとめてくれている。文献の選択も的確。私が選ぶとしても,大体同じものになると思う。それにしても,これを読んだ上で彼の授業に臨む学生は,驚くだろう。こういう研究者を輩出できるのが,租税法のいいところ(私から見て彼は同門の少し後輩にあたり,常に一緒に議論しているメンバーの一人)。 分野の枠にとらわれずに,知的好奇心を極限まで満たしたい人は,是非租税法研究者を選択肢に入れてほしい。

経済法(大久保)。前任校での同僚であり,学問に対する真摯な姿勢,教育にかける情熱には学ぶことが多かった(というか,書かれたもの等を通じて今も学んでいる)。私が予告なく経済法学会を傍聴しに行った時,報告者として壇上にいるのに,傍聴人の私を発見してくれた。そのくらい余裕がある人物である。今回の記述は,会社法と知的財産法に絡む事案を素材としての経済法入門で,大久保さんの授業を聞いている感じがした。紹介されている公取委のホームページに出ている資料を読んでみようと思う。

知的財産法(小島)。大学時代・研究室の2年後輩。本当に義理堅く男気のある人で,ちょうど20年前の彼(及びその友人であり現在の彼の同僚である平山賢太郎)のある件に関する配慮を私は忘れない。今回は,ファッションを素材として,知的財産法がどのように社会と関わっているか書いている。あえて,知的財産法の枠組みやテクニカルタームに関する叙述を極限まで減らして,背景にあるファッション自体についてしっかり書き込んでいるところに彼のこだわりと覚悟を見て取った。私の妻がやはり一定の覚悟を持って執筆し公表した論文を引用してくれているのも大変嬉しい。

環境法(島村)。研究室の先輩であり,また,今は同僚として大いにお世話になっている。昔から環境問題に関心があったものの,あまり勉強しないままであったのだが,島村さんからどういうことが問題となっているか教えてもらい改めて関心が再燃している。とりわけ学んだのが,環境問題の難しさ。一定の経済発展を所与とせざると得ないこともあるし,また,複数の環境問題に対する対策同士のトレードオフの問題もある。色々な熱い思いがありつつも,叙述においては正確かつバランスが取れていて,研究者としてこういう風になりたいと思う。今回の『法学の世界』の島村さん担当部分もそう。これを読んで環境法の勉強を始める人がうらやましい。

国際私法(横溝)。公私ともにお世話になっているだけでなく,ビジネス・ローの研究者・大学人としての振る舞いについてお手本にしている先輩。私の書いたものをそれが不十分なものであっても読んでくださり,そのことが私が研究を進める上での大きな推進力になっている。『法学の世界』では,本文では極めて的確な正統派の国際私法の内容紹介をしておられ,その上で,文献紹介でかなり本音ベースのことが書かれていて,その落差が面白い。改めて,ちゃんと勉強しないと,と思う。

ここに挙げたものだけでなく,本全体として強くお勧めできる。ぜひ,一人でも多くの方に手に取っていただきたいと願っている。







2019年2月20日水曜日

2018年度第4クォーター租税法期末試験の解説

採点基準と解説をBEEFにアップロードしました。

2019年1月22日火曜日

BEEF

Twitterにも書きましたが,(神戸大学法学部4Qの)租税法の講義ノートをBEEFにアップロードしました。アナウンスメントというところにあります。かなり省略したところが多いので,自習する方はくれぐれもご注意ください。

2019年1月5日土曜日

租税法第7回(2018年12月26日)講義内容

投稿するのが大変遅くなって申し訳ありません。
12月26日の授業内容について,お伝えします。

54ページ,最判平成27・3・10
事案の内容について,詳しく説明しました。授業に出られなかった人は,法曹時報68巻2号,あるいは,ジュリスト1489号(いずれも調査官解説)等を参照して,事案の内容について把握するようにしてください。

55ページ
所得税と法人税の規定ぶりの違い(「損失」の位置づけ)が重要です。損失については,後ほどお話しします。アメリカ法については,事業について,と,事業に至らない活動について,とで異なった条文による規律となっています。

56ページ
ここで紹介しているのは,所得を得るための活動と消費(活動)の切り分けに関するもの。もっとも,スミス事件は,なかなか難しい。子供を持つこと,子育てをすることは「消費」なのだろうか。この判決の結論がどのように正当化できるのか,自分なりに考えてほしい。

57ページ
イブサンローランの事例は,所得の得るための活動と消費活動が混合しているもの。メインは後者であるとみて,割り切った判断がされた。

57ー58ページ
実務ではこのように面積なので按分する,という例。

58ページ
このアメリカの判例は,わかりにくいので,きにしなくていい。

59ページ
所得を得るための活動と消費活動の切り分けの難しさが顕在化する例として「民泊」に関する所得税の扱いがある。これについては,59ページ冒頭に挙げている文書をインターネットで探してざっとみてくれるとよい。

次回(1月7日)は,Welch v. Helveringからやります。

2018年12月5日水曜日

渕圭吾・研究業績(2018年12月現在)


(近刊予定)







(2018年)

中里実・弘中聡浩・渕圭吾・伊藤剛志・吉村政穂編『租税法概説〔第3版〕』〔第8章第1-3節,第4節1,第5節1-3(273-310頁,351-353頁)を執筆〕(2018年12月,有斐閣)

「移転価格税制の法理上の基礎について:契約モデルから信認モデルへ」金子宏・中里実編『租税法と民法』311-29頁(2018年11月,有斐閣)

「コンフィデンシャリティは自由か特権か:租税情報の報道機関への開示をめぐるR (Ingenious Media plc) v Revenue and Customs Commissioners [2016] UKSC 54 の紹介」トラスト未来フォーラム研究叢書『金融取引と課税(5)』75-94頁(2018年8月)

「課税処分に対する理由附記・理由の提示をめぐるアメリカの議論状況 」論究ジュリスト26号91-97頁(2018年8月)

「納税者を守るための様々な方策とその限界―英国ヴィクトリア朝における納税者の権利保護に関する研究の紹介」租税研究822号5-20頁(2018年4月)


「法人税の課題と未来」法律時報90巻2号51-56頁(2018年2月)

「核燃料税に関する若干の考察」地方税69巻2号2-10頁(2018年2月)


(2017年)
「税法との関係における信託財産を構成する個々の財産の人的帰属」信託研究奨励金論集38号83-90頁(2017年11月)

「行動5:有害な税制への対抗」中里実ほか編著『BEPSとグローバル経済活動』140-161頁(2017年11月,有斐閣)

「アメリカ合衆国の土地利用法から学ぶこと」地方自治838号2-13頁(2017年9月)

「歴史的文脈の中の外国税額控除制度」金子宏監修『現代租税法講座第4巻』223-251頁(2017年8月,日本評論社)

「国際租税法の潮流」租税法研究45号67-82頁(2017年7月)


「藤枝純・角田伸広著『移転価格税制の実務詳解』」(書評)税務弘報65巻5号153頁(2017年5月)

「租税法律主義と『遡及立法』」フィナンシャル・レビュー129号93-121頁(2017年3月)

「憲法の財産権保障と租税の関係について」法学新報(中央大学)123巻11・12号17-36頁(2017年3月)

「非課税取引(2)医療・教育等」日税研論集70号(消費税の研究)319-353頁(2017年1月)


(2016年)
Unilateralism, Bilateralism, and Multilateralism in International Taxation, 59 Japanese Yearbook of International Law 216-228 (2016)

「学界回顧 租税法」法律時報88巻13号37-41頁(2016年12月)〔神山弘行・藤谷武史・吉村政穂と共著〕

「私の租税教育論(13)」税務弘報64巻10号80-83頁(2016年10月)


「日本の税制とタックス・ヘイブン」現代社会へのとびら2016年2学期号7-10頁(2016年9月)

「所得の人的帰属をめぐって」税経通信71巻10号158-163頁(2016年9月)

「地方税法11条の8にいう徴収不足要件の意義」(租税判例研究・最判平成 27 年11月6日民集69巻7号1796 頁)ジュリスト1497号131-134頁(2016年9月)

『所得課税の国際的側面』(2016年8月,有斐閣)


「企業と個別契約で税金を減免:タックスヘイブンの新事実」(気鋭の経済論点)日経ビジネス1855号98-99頁(2016年8月)

「『パナマ文書』に基づく課税処分及び脱税犯の訴追の可能性」ジュリスト1496号24-30頁(2016年8月)

「出国税以前」トラスト未来フォーラム研究叢書『金融取引と課税(4)』75-91頁(2016年7月,公益財団法人トラスト未来フォーラム)

「『みなし相続財産』と信託」トラスト未来フォーラム研究叢書『金融取引と課税(4)』61-73頁(2016年7月,公益財団法人トラスト未来フォーラム)


「租税法規の解釈:ホステス報酬に係る源泉徴収」(最判平成22年3月2日民集64巻2号420頁)租税判例百選〔第6版〕28-29頁(2016年6月)

「タックス・シェルター:パラツィーナ事件」(最判平成18年1月24日民集60巻1号252頁)租税判例百選〔第6版〕40-41頁(2016年6月)

「アメリカ合衆国の土地利用法(Land Use)(下)」神戸法学雑誌65巻4号173-296頁(2016年3月)

「アメリカ合衆国における地方自治体の解散とカウンティの役割について:ミシェル・ウィルド・アンダーソンによる研究の紹介」『21世紀地方自治制度についての調査研究会報告書(平成27年度)』75-88頁(2016年3月,一般財団法人自治総合センター)

「『働く意欲』と『税最大化』の矛盾を解決」(気鋭の経済論点:構成・広岡延隆)日経ビジネス1828号89頁(2016年2月)

「日本の納税者番号制度」日税研論集67号33-65頁(2016年1月)

(2015年)
「アメリカ合衆国の土地利用法(Land Use)(上)」神戸法学雑誌65巻3号81-172頁(2015年12月)

「学界回顧 租税法」法律時報87巻13号48-53頁(2015年12月)

「国際租税法におけるOECDの役割とその位置づけ」日本国際経済法学会年報24号15-36頁(2015年11月)

「財産権保障と租税立法に関する考察-アメリカ法を素材として」神戸法学雑誌65巻2号55-99頁(2015年9月)

「日産事件と子会社株式に関するキャピタル・ロス計上のタイミング」(東京高判平成26年6月12日)ジュリスト1483号31-36頁(2015年8月)

中里実・弘中聡浩・渕圭吾・伊藤剛志・吉村政穂編『租税法概説〔第2版〕』〔第8章第1-3節,第4節1,第5節1-3(265-310頁,343-345頁)を執筆〕(2015年4月,有斐閣)

「Steven L. Schwarcz, The Use and Abuse of Special-Purpose Entities in Public Finance」(学界展望・財政法)国家学会雑誌128巻3=4号410-412頁(2015年4月)

「未処理欠損金額の利用に関する法人税法132条の2の適用―ヤフー事件」(東京高判平成26年11月5日)ジュリスト1479号(平成26年度重要判例解説)217-218頁(2015年4月)

(2014年)
「学界回顧 租税法」法律時報86巻13 号48-53頁(2014年12月)

「Chevron Step Zeroとは何か」学習院大学法学会雑誌50巻1号173-182頁(2014年9月)

「所得の構成要素としての純資産増加」金子宏・中里実・マークラムザイヤー編『租税法と市場』92-108頁(2014年7月,有斐閣)

「租税法における生命保険契約の意義:一時払い養老保険・終身保険は相続税法3条1項1号にいう「生命保険契約」なのか?」金子宏・中里実・マークラムザイヤー編『租税法と市場』237-255頁(2014年7月,有斐閣)

「アメリカにおける政府私人間契約の解釈準則:United States v. Winstar Corp., 518 U.S. 839 (1996) の検討」トラスト60研究叢書『金融取引と課税(3)』69-93頁(2014年7月,公益財団法人トラスト60)

「アメリカ法における先例拘束性とChevron敬譲の優先劣後:United States v. Home Concrete & Supply, LLC, 566 U.S. __, 132 S. Ct. 1836 (2012) をめぐって」論究ジュリスト9号192-195頁(2014年5月)

「政策税制と憲法:ドイツ法を素材とした序論的考察」海外住宅・不動産税制研究会編著『欧米4か国における政策税制の研究』92-161頁(2014年3月,公益財団法人日本住宅総合センター)

(2013年)
「学界回顧 租税法」法律時報85巻13号47-53頁(2013年12月)

「タックス・ヘイブン対策税制と同族会社の留保金課税の共通性」中里実・太田洋・伊藤剛志・北村導人編著『タックス・ヘイブン対策税制のフロンティア』203-230頁(2013年10月,有斐閣)→『所得課税の国際的側面』

「贈与税の位置づけ」税研171号26-31頁(2013年9月)

「固定資産の価格を過大に決定されたことによって損害を被った納税者が地方税法432条1項本文に基づく審査の申出及び同法434条1項に基づく取消訴訟等の手続を経ていない場合における国家賠償請求の諾否」(最判平成22年6月3日民集64巻4号1010頁)(最高裁判所民事判例研究)法学協会雑誌130巻1号267-291頁(2013年1月)

(2012年)
「民事信託と課税」信託法研究37号73-81頁(+質疑応答)(2012年12月)=報告原稿の詳細版は学習院大学法学会雑誌48巻1号に掲載。

「恒久的施設と帰属所得主義の改正の動き」ジュリスト1447号27-32頁(2012年11月)

「民事信託をめぐる相続税・贈与税課税のタイミングと『受益者等』の範囲について」学習院大学法学会雑誌48巻1号37-55頁(2012年9月)

「民事信託と相続税・贈与税に関する研究ノート」トラスト60研究叢書『金融取引と課税(2)』35-57頁(2012年7月,公益財団法人トラスト60)

「Mayo Foundation for Medical Education and Research et al. v. United States, 131 S. Ct. 704 (2011) :内国歳入法典によって財務省に与えられた一般的な規則制定権に基づく財務省規則が示した制定法の解釈は,財務省以外の行政機関によるルールと同様に,Chevron敬譲の対象となる」(判例紹介)アメリカ法2011-2,582-587頁(2012年6月)

「金子宏先生に聞く 第3回 国際租税法・国際交流を中心に」(座談会)法律時報84巻6号54-65頁(2012年6月)〔金子宏・中里実・増井良啓と共に〕

「軽油引取税の納税義務者」(最判平成22年2月16日民集64巻2号349頁)(最高裁判所民事判例研究)法学協会雑誌129巻4号944-964頁(2012年4月)

「贈与税における『住所』の認定」(最判平成23年2月18日判時2111号3頁)ジュリスト1440号(平成23年度重要判例解説)215-216頁(2012年4月)

「リミテッド・パートナーシップの租税法上の『法人』該当性」(租税判例速報・名古屋地判平成23年12月14日)ジュリスト1439号8-9頁(2012年4月)

「破産管財人の源泉徴収義務」(最判平成23年1月14日民集65巻1号1頁)判例時報2136号170-177頁(判例評論637号24-31頁)(2012年3月)

「破産管財人の源泉徴収義務と源泉徴収税債権の優先順位:アメリカ法を素材とした一考察」法律時報84巻3号78-87頁(2012年3月)

Japan, in: Karen B. Brown (ed.), A Comparative Look at Corporate Tax Avoidance, 223-229 (2012年1月,Springer)=2011年7月のICCLP報告書に載せたものと同内容。

(2011年)
「納税者の租税法規上の地位の遡及的変更」(最判平成23年9月30日裁時1540号5頁)租税判例百選〔第5版〕10-11頁(2011年12月)

「法人税法22条2項にいう『取引』の意義:オウブンシャホールディング事件」(最判平成18年1月24日判時1923号20頁)租税判例百選〔第5版〕100-101頁(2011年12月)

「過納金の還付と相続税」(最判平成22年10月15日民集64巻7号1764頁)租税判例百選〔第5版〕182-183頁(2011年12月)

中里実・弘中聡浩・渕圭吾・伊藤剛志・吉村政穂編『租税法概説』〔第8章第1-3節,第4節1,第5節1-3(257-293頁,321-322頁)を執筆〕(2011年11月,有斐閣)

「Bruce Ackerman, Anne Alstott, and Philippe Van Parijs, Redesigning Distribution」(学界展望・財政法)国家学会雑誌124巻9=10号844-846頁(2011年10月)

「ヴェリタス事件米国租税裁判所判決」中里実・太田洋・弘中聡浩・宮塚久編著『移転価格税制のフロンティア』341-358頁(2011年7月,有斐閣)

Regulation of Corporate Tax Evasion in Japan, in: Japanese Reports for the 18th International Congress of Comparative Law, 334-340 (2011年7月,東京大学大学院法学政治学研究科附属ビジネスロー・比較法政研究センター比較法政部門(ICCLP))

「法人格内部の『取引』に関する一考察」ジュリスト1423号106-111頁(2011年6月)

「イリノイ州の資産税(property tax)」海外住宅・不動産税制研究会編著『主要先進国における住宅・不動産保有税制の研究』109-131頁(2011年6月,財団法人日本住宅総合センター)

「アメリカにおける地方自治体の課税権と資産税の位置づけ」海外住宅・不動産税制研究会編著『主要先進国における住宅・不動産保有税制の研究』56-70頁(2011年6月,財団法人日本住宅総合センター)

「贈与税における『住所』の意義とその認定」(租税判例速報・最判平成23年2月18日判時2111号3頁)ジュリスト1422号106-107頁(2011年5月)

「新株有利発行と受贈益課税」トラスト60研究叢書『金融取引と課税(1)』1-22頁(2011年4月,公益財団法人トラスト60)

「金子宏著『租税法理論の形成と解明(上・下)』」(書評)税務弘報59巻3号111頁(2011年3月)

「アメリカ連邦予算過程に関する法学研究の動向」フィナンシャル・レビュー103号174-186頁(2011年1月)

Seifu Kisei to Sofuto Rō (Soft Law on Regulation), Social Science Japan Journal (2011) 14 (1): 121-123. (書評)(2011年1月)

(2010年)
「取引・法人格・管轄権―所得課税の国際的側面(5・完)」法学協会雑誌127巻11号1862-1907頁(2010年11月)→『所得課税の国際的側面』

「適正所得算出説を読む」金子宏編『租税法の発展』209-228頁(2010年11月,有斐閣)

「相続税と所得税の関係―所得税法9条1項16号の意義をめぐって」ジュリスト1410号12-18頁(2010年11月)

「取引・法人格・管轄権―所得課税の国際的側面(4)」法学協会雑誌127巻10号1529-1601頁(2010年10月)→『所得課税の国際的側面』

「国際課税と通商・投資関係条約の接点(下)1920年代の国際連盟における議論を素材として」ジュリスト1408号164-171頁(2010年10月)→『所得課税の国際的側面』

「取引・法人格・管轄権―所得課税の国際的側面(3)」法学協会雑誌127巻9号1279-1360頁(2010年9月)→『所得課税の国際的側面』

「国際課税と通商・投資関係条約の接点(上)1920年代の国際連盟における議論を素材として」ジュリスト1406号149-156頁(2010年9月)→『所得課税の国際的側面』

「取引・法人格・管轄権―所得課税の国際的側面(2)」法学協会雑誌127巻8号1151-1210頁(2010年8月)→『所得課税の国際的側面』

「オーストラリアの相続・贈与税」海外住宅・不動産税制研究会編著『相続・贈与税制再編の新たな潮流』245-264頁(2010年6月,財団法人日本住宅総合センター)

「損害保険会社が海外子会社に支払った『再保険料』の損金該当性」(租税判例研究・東京地判平成20年11月27日判時2037号22頁)ジュリスト1400号173-175頁(2010年5月)

「Mihir A. Desai and Dhammika Dharmapala, Tax and Corporate Governance: An Economic Approach, in Wolfgang Schön (ed.), Tax and Corporate Governance」(学界展望・租税法)国家学会雑誌123巻3=4号410-413頁(2010年4月)

「平成22年度税制改正を読む」ジュリスト1397号21-27頁(2010年4月)

「『法実務教育』雑感」学習院法務研究1号38-42頁(2010年3月)

(2009年)
「レポ差額に係る源泉徴収義務:住友信託銀行レポ取引事件控訴審判決」(東京高判平成20年3月12日金判1290号32頁)税研148号27-29頁(2009年11月)

「所得課税における帰属(tax ownership)をめぐる研究動向」学習院大学法学会雑誌45巻1号173-204頁(2009年9月)

「アメリカの信託税制の諸問題」信託239号27-43頁(2009年8月)

「外国子会社合算税制の意義と機能」フィナンシャル・レビュー94号74-96頁(2009年5月)→『所得課税の国際的側面』

「アメリカ合衆国における不動産流通税」海外住宅・不動産税制研究会編著『欧米4か国における住宅・不動産関連流通税制の現状と評価』33-51頁(2009年5月,財団法人日本住宅総合センター)

「租税法と私法の関係」学習院大学法学会雑誌44巻2号13-48頁(2009年3月)→『所得課税の国際的側面』

「適用を年度開始時点まで遡らせる租税法規の合憲性」(福岡地判平成20年1月29日判時2003号43頁)法学教室342号別冊付録「判例セレクト2008」13頁 (2009年3月)=のちに法学教室編集室編『判例セレクト2001-2008』98頁(2010年12月,有斐閣)にも掲載。

(2008年)
「所得課税のアキレス腱」L&T41号168頁(2008年10月)

(2007年)
「所得課税における年度帰属の問題」金子宏編『租税法の基本問題』200-219頁(2007年11月,有斐閣)

「法人税の納税義務者」金子宏編『租税法の基本問題』418-436頁(2007年11月,有斐閣)

(2006年)

(2005年)
「組合員が組合から受ける給与―りんご生産組合事件」(最判平成13年7月13日判時1763号195頁)租税判例百選〔第4版〕64-65頁(2005年10月)

「納税告知取消訴訟において争いうる租税債務の範囲」(判例紹介・最判平成16年9月7日判時1874号52頁)民商法雑誌132巻6号934-939頁(2005年9月)

「アメリカ内国歳入法典469条のメカニズム」ジュリスト1290号123-130頁(2005年6月)

(2004年)
「オウブンシャホールディング事件に関する理論的問題」租税法研究32号27-52頁(2004年5月)

「取引・法人格・管轄権―所得課税の国際的側面(1)」法学協会雑誌121巻2号123-212頁(2004年2月) →『所得課税の国際的側面』

(2003年)
「租税立法に対する司法審査に関する覚書」日本エネルギー法研究所『法定外地方税を利用したエネルギー課税の諸問題―エネルギー税制をめぐる法的問題班中間報告書』47-67頁(2003年12月,日本エネルギー法研究所)

「法人税の納税義務者について―財産の独立性の観点から」日本エネルギー法研究所月報164号1-4頁(2003年10月)

「匿名組合契約と所得課税―なぜ日本の匿名組合契約は節税目的で用いられるのか?」ジュリスト1251号177-184頁(2003年9月)

「東京都銀行税訴訟をめぐって」法学教室273号41-47頁(2003年6月)

「アメリカにおける租税回避否認法理の意義と機能(1)」学習院大学法学会雑誌38巻2号91-130頁(2003年3月)

「租税特別措置法69条の4(小規模宅地等の特例)と選択権規定に関する宥恕規定の適用」(租税判例研究・東京地判平成14年7月11日訟務月報50巻7号2192頁)ジュリスト1241号116-119頁(2003年3月)

(2002年)
「東京都銀行税事件」(東京地判平成14年3月26日判時1787号42頁)税研106号219-221頁(2002年11月)

「小作地に対する宅地並み課税により固定資産税等の額が増加したことを理由として小作料の増額請求をすることの可否」(行政判例研究・最大判平成13年3月28日民集55巻2 号611頁)自治研究78巻10号130-148頁(2002年10月)

「中里実著『タックスシェルター』」(書評)税研105号75頁(2002年9月)

「Daniel Shaviro, Risk-Based Rules and the Taxation of Capital Income」(学界展望・租税法)国家学会雑誌115巻3=4号430-433頁(2002年4月)

(2001年)

(2000年)

(1999年)
「フィルムリースを用いた仮装行為と事実認定」(租税判例研究・大阪地判平成10年10月16日訟務月報45巻6号1153頁)ジュリスト1165号130-134頁(1999年10月)

(1998年)

2018年7月4日水曜日

2018LS租税法1第14回(7月3日)

§233.01費用収益対応の原則
佐藤「スタンダード」256ページ以下
§234
佐藤262ページ以下も合わせてみておく

§241.01
この事案についてはジュリストに書いた論文を参照。
「民泊」に伴い,この辺りは実務的にも重要になってきている。
6月に出た,国税庁
「住宅宿泊事業法に規定する住宅宿泊事業により生じる所得の課税関係等について(情報)」
をみてみよう。

2018年7月3日火曜日

2018LS租税法2第10回(7月2日)

かなり久しぶりの授業となった。
PL農場事件から,使途不明金・使途秘匿金,そして繰越欠損金に関する行田電線事件,をみた。

2018LS租税法R&W第9回(6月26日)

佐藤「スタンダード」を読み進めている。

2018LS租税法1第13回(6月26日)

前回,2017年度講義資料の必要経費のところを見た。
重要なのが,弁護士会の活動に関する支出が弁護士の事業所得にかかる必要経費に該当するかどうかが争われた事例。

§231.03
高松地判昭和48年6月28日

§232.01〜
年度帰属という一大論点

権利確定主義(あるいは,所得の年度帰属の一般的なルール)は,所得の種類を問わず妥当する(例外=67条)。

事業所得(不動産所得の一部,それから法人税)に適用されるルールとそれ以外(雑所得等)に適用されるルールが異なる,というのが出発点。必ず,自分の言葉で整理しておくこと。
具体的には,貸倒れが発生したの際の処理が異なる。47年判決と49年判決を対比せよ。


§232.02は金子先生と植松先生の論争を踏まえたもの。まずは,現実にどうなっているのか,ということを押さえておく。どちらの立場でも,実際にはあまり違いがない。

沖縄補償金事件。

§232.03の位置づけは難しい。
一般的には,権利確定主義に基づくより早い収入金額計上を基礎付けるものとして管理支配基準を位置づける。
しかし,本件では,紛争のために,本来の権利確定の年度において収入金額を計上することが事実上不可能。この点で,法人税の電気料金過大徴収の事案に似ている。そこで,本来の権利確定より遅いタイミングの中でどれを取るか,ということが問題となっている。相対的に早いタイミングを取るべし,というのが最高裁。その意味で,本来の意味での「管理支配基準」を採用したものとして,本判決を理解するべきではないのかもしれない。
事業規模ではなかった事例と思われる。

2018年6月26日火曜日

2018LS租税法R&W第8回(6月12日)

佐藤「スタンダード」

2018LS租税法1第12回(6月12日)

§225.02
最判平成27年6月12日
→匿名組合契約に関する課税関係を明確に示した。 ただし,課税のタイミングについてはよくわからないところがある。通達によれば,

「36・37共-21の2 36・37共-21により営業者が匿名組合員に分配する利益の額は、当該営業者の当該組合事業に係る所得の金額の計算上必要経費に算入する。」

となっているから,匿名組合員は,「共同事業」(判旨のイ)の場合でも,(現実の)分配ベースで課税を受けるということになりそうである。
 しかし,他方で,

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/060117/01.htm

に出てくる「問22」では,

「匿名組合契約の組合事業の損益計算上利益が生じた場合には,匿名組合員は利益配当請求権による利益の分配を請求することができるから,現実に利益の分配がなされておらず,それを留保することにした場合でも,「収入すべき金額」は確定しているものであり,当該金額が総収入金額に算入されることになる。」 

と説明されている。また,損失については(ケースブック331頁でも引用されている)問23で説明されている。

結局のところ,(1)基本的には事業からの収益・費用・損失は営業者に帰属するものの,(2)営業者がその帳簿上,当初の出資額よりも匿名組合員の持ち分が増加した,という処理を行う場合にはその時点で問22に従って即時に匿名組合員に課税が行われ,また,営業者はその分を必要経費に算入でき,(3)営業者から匿名組合員に対して現実の分配が行われる時点では,特に課税関係が生じない,ということになりそうである。しかし,この扱いは,(2)の段階での操作可能性が大きすぎて,妥当なルールとは言い難いようにも思える。 また,(2)で一旦匿名組合員に対して課税された分がその後の事業の失敗によって減少する場合にどうなるのか(問22によれば,即座に匿名組合員にとっての必要経費となりそう),それが問23のルールと整合的なのか,ということは詰める必要がある。さらに,匿名組合員が法人の場合との整合性も確保されていないようである。

§231.01
収入金額の意義(増井論文)

債務免除益(所得税法44条の2)






2018年6月17日日曜日

2018LS租税法2第9回(6月11日)

役員と使用人の給与(復習)

§325.01
東京地判平成24年10月9日
この辺りの立法趣旨についてはよくわからないところもあるが,まずは,しっかり条文を押さえておく。

§325.02
東京高判平成4年9月24日

できれば,貸倒損失・寄附金に関する裁判例をここで検討。

§325.03
大阪高判昭和59年6月29日(PL農場)
機械的な寄附金課税を行うと不当な結果になりうることを示した一連の事例。

§325.04
東京高判平成15年9月9日
交際費に対する規制の不正競争防止法,独禁法との関係?

Cf. 使途不明金,使途秘匿金