2016年度第4クオーターに授業を行った「租税法」ですが,その成績分布についておしらせします。
履修登録者(当初)144名
履修登録者(取消後)126名
このうち,
秀の成績を得た者6名
優の成績を得た者6名
良の成績を得た者14名
可の成績を得た者40名
履修登録したが試験を欠席した者38名
試験を受験したが不可となった者22名
でした。
大学の正式のデータでは「不可60名」と出てしまうので,一見すると成績評価が厳しいように見えますが,実際にはそんなことはありません。上記内訳が示すように,卒業単位が揃ったために受験しなかった人や特に準備せずに受験した人が多かったためで,授業に出席していた人は単位を取得できているという印象です。
2017年6月21日水曜日
2017年2月20日月曜日
2016年度神戸大学法学部租税法定期試験について
今回の定期試験では,(1)所得概念の基礎的な理解を問う問題,(2)所得税法の条文を参照して,また必要であれば判例の示した基準に従って,所得分類の判定ができるかどうかを問う問題,(3)申告することが期待できない所得についての所得税法の課税のメカニズム(実体法・手続法の両方)を考える力を問う問題,(4)日本の消費税法の仕組みを簡潔に説明できるかを問う問題,(5)ギャンブルについてどこに消費(ないし事業者から見た場合には「付加価値」)があるのかを考え,また,その消費に対して課税する仕組みを考える力を問う問題,を出題した。
結論から申し上げると,全設問について出題意図をしっかり理解して回答していた答案が数通あった(秀を与えた)反面,特に(1)(3)(5)について出題の意図を理解せず的外れなことを書いている答案が少なからずあった。
(1)については,所得概念についてどのような考え方が存在しており,またその中で支持を集めている考え方によれば,本件においてどのような課税関係となるか,ということがかけていれば,満点を与えた(講義レジュメ18ページ。12月19日に扱った)。これに対して,そもそも「所得概念」という言葉の意味を理解していない答案については,点数を与えなかった。ただし,その場合でも,(2)に該当する内容を書いてある時には(2)の評価に加味した。 できの良い答案と全くできていない答案に大きく分かれた。
(2)については,どちらかの立場を選択した上で,その要件について記述してあり(判例を踏まえる等して詳細に記述していることが望ましい),要件を設問の事案に当てはめたらどうなるか,また,もう一方の立場はなぜ取りえないのか(条文の構造からの説明でもよいし,事案の性質からでもよい)説明してあれば,満点を与えた。概してよくできていた。
(3)については,ギャンブルを通じて利益を上げることが珍しいことであることを前提に,そうした利益が必ずしも申告されていないことを認識してほしかった。その上で,どのようにしたらこうした利益について正しく課税できるか,ということが問題となる。源泉徴収制度の利用やマイナンバー制度を通じた所得の把握を提案する答案が比較的多かった。なお,「立法論」と設問に書いたにもかかわらず解釈論を展開している答案や,((2)にもかかわらず)現行法上は課税されていないという認識を背景した答案も存在していた。
(4)については,間接税であること,売上高税と付加価値税の比較,仕入税額控除,日本の現行法の問題点,等についてしっかりかけている答案が多かった。
(5)については,ギャンブルに参加することが事業者の提供するサービスを享受すること=消費だ,ということを的確に指摘できていたかどうかで,勝負がついていた。指摘できていた答案は,その消費をどのように把握するか,ということから,例えば入場料に対する消費税の課税などを提案していた。
全般に,本年度の租税法の授業は日本の実定法に即した説明を心がけたにもかかわらず,扱った範囲が広かったため,受講生の皆さんの多くは消化不良になってしまったのかもしれないと思う。今回の反省を生かして,来年度の租税法の授業をより良いものにすべく準備を進めたい。
結論から申し上げると,全設問について出題意図をしっかり理解して回答していた答案が数通あった(秀を与えた)反面,特に(1)(3)(5)について出題の意図を理解せず的外れなことを書いている答案が少なからずあった。
(1)については,所得概念についてどのような考え方が存在しており,またその中で支持を集めている考え方によれば,本件においてどのような課税関係となるか,ということがかけていれば,満点を与えた(講義レジュメ18ページ。12月19日に扱った)。これに対して,そもそも「所得概念」という言葉の意味を理解していない答案については,点数を与えなかった。ただし,その場合でも,(2)に該当する内容を書いてある時には(2)の評価に加味した。 できの良い答案と全くできていない答案に大きく分かれた。
(2)については,どちらかの立場を選択した上で,その要件について記述してあり(判例を踏まえる等して詳細に記述していることが望ましい),要件を設問の事案に当てはめたらどうなるか,また,もう一方の立場はなぜ取りえないのか(条文の構造からの説明でもよいし,事案の性質からでもよい)説明してあれば,満点を与えた。概してよくできていた。
(3)については,ギャンブルを通じて利益を上げることが珍しいことであることを前提に,そうした利益が必ずしも申告されていないことを認識してほしかった。その上で,どのようにしたらこうした利益について正しく課税できるか,ということが問題となる。源泉徴収制度の利用やマイナンバー制度を通じた所得の把握を提案する答案が比較的多かった。なお,「立法論」と設問に書いたにもかかわらず解釈論を展開している答案や,((2)にもかかわらず)現行法上は課税されていないという認識を背景した答案も存在していた。
(4)については,間接税であること,売上高税と付加価値税の比較,仕入税額控除,日本の現行法の問題点,等についてしっかりかけている答案が多かった。
(5)については,ギャンブルに参加することが事業者の提供するサービスを享受すること=消費だ,ということを的確に指摘できていたかどうかで,勝負がついていた。指摘できていた答案は,その消費をどのように把握するか,ということから,例えば入場料に対する消費税の課税などを提案していた。
全般に,本年度の租税法の授業は日本の実定法に即した説明を心がけたにもかかわらず,扱った範囲が広かったため,受講生の皆さんの多くは消化不良になってしまったのかもしれないと思う。今回の反省を生かして,来年度の租税法の授業をより良いものにすべく準備を進めたい。
2016年10月20日木曜日
日本の税制とタックス・ヘイブン
高等学校の先生方を対象とした「現代社会」の参考資料に,標記の記事を執筆しました。限られた字数の中でできるだけ正確に現状を描くように努めましたので,ご覧いただけると幸いです。こちらから読めます。なお,執筆にあたっては帝国書院の皆様にお世話になりました。ありがとうございました。
2016年4月14日木曜日
TLP租税法判例・事例研究の授業を始めました
大阪梅田の神戸大学梅田ラボラトリと東京有楽町の神戸大学東京オフィスをテレビ会議システムでつないで,標記の授業を始めました。活発な議論が行われ,幸先の良いスタートを切れたのではないでしょうか。
2016年4月6日水曜日
アメリカ合衆国の土地利用法
神戸法学雑誌65巻3号と同4号にアメリカ合衆国の土地利用法に関する研究ノートを掲載しました。2014年度の学習院大学での講義ノートをもとに,講義ノートにあった日本法に関する(中途半端な?)言及を省いたものです。アメリカの土地利用法,財産権法について日本語でその内容を知りたいという人には多少参考になるかもしれません。
LS租税法2(第1回)
今年度の法科大学院の租税法2(4単位)の授業を始めました。
今学期は,租税法1で積み残したところを中心に,重要判例の位置づけを明確にするとともに条文の解釈論がしっかりとできるようになるように工夫した授業をしたいと思っています。次回は,給与所得のところを扱います。
今学期は,租税法1で積み残したところを中心に,重要判例の位置づけを明確にするとともに条文の解釈論がしっかりとできるようになるように工夫した授業をしたいと思っています。次回は,給与所得のところを扱います。
2016年3月23日水曜日
TLP租税法・準備セッション
3月22日に,4月から始まる神戸大学大学院法学研究科トップ・ロイヤーズ・プログラム(TLP)租税法の準備セッションを開催しました。租税法の勉強の仕方,博士論文を書くにあたって心がけて欲しいことについての説明のほか,4月からの私の授業(租税法判例・事例研究,火曜夜)の前半で取り上げる判例及び報告順の決定を行いました。
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